思い出

形見分けは物を分けることですが、人一人の人生、それだけではないと思います。

関わった多くの人に思い出としてたくさんの形のない形見を残しているのではないでしょうか。

人との関わりは時には形ないもので深く残っていたりするものです。

それは形あるものよりもうんと心に刻まれているのかもしれません。

形見はたまたま形があるだけ、それには故人の思い出が詰まっており、受け取った本人の思い出が詰まっていることも。

そして、その形見を見ることで故人との思い出があふれかえってくる、故人をいつまでも忘れずにいるためのほんの些細な切っ掛けなのかも知れません。

私の父はツツジが満開の時期に亡くなり、ツツジが並んで咲いているのを車の窓から眺めたせいか、17年経ったいまでも満開のツツジは亡き父を思いだす花となりました。

もちろん、よく父が口ずさんでいた歌とか、使っていた整髪剤の香りとか、そんな形のないものも私にとっては父を思いだす切っ掛けとなるものなのです。

亡くなった直後の悲しみはいつ消えるのだろうと思った時もありましたが、やはりその悲しみは時間が解決してくれ、そして、いまはふとした瞬間に良き思い出を思いだしたりする様になりました。

それは大体において形あるものではなくイメージからくるものであるのです。

形のあるものばかりが遺品ではないということかもしれません。

故人の思い出というのは自然に心の中に刻み込まれていて、ちょっとした瞬間に思いだされる、そんな感じが良いのではないでしょうか。

そのふとした瞬間に思いだされる故人の良き思い出を自分の子供に話したりして、そんな風に故人をいつまでも慈しむ、そんな消えない思い出を残していったらいいのではないかと思います。

他の人や次の世代の人に、思い出を引き継いでいくことは素敵なことだと思います。

両親が死んだ時の遺品整理

今から書くことは実話の話で、私の友人で18歳の時の出来事です。

当時の彼女は4人家族で暮らしていたのですが、交通事故で両親をなくし心身ともに病んでいました。

まだ社会にも出ていない人間が、いざ身内の人間が死んでしまったときに、なんの対応もできずに困ってしまうもので、さらに親戚や近所との付き合いも良い方ではなかったので、助けてくれる人もおらず、私の知り合いなどが手を貸してなんとか葬儀などを終えることができました。

しかし、その後の遺品整理に関しては半年位放置していたようで、家の中はごちゃごちゃしており、とても人を招けるような状態ではありません。

もし、このような状況の場合、あなたならどのような対応をしますか。

母親や父親の遺品をどうしたら良いものでしょうか。

相談を受けた私は、情報を集めて遺品整理を専門に取り扱っている、信用性の高い業者を紹介することで家の中も片付きましたが、未成年2人で生きていくこともできず、親戚を調べ上げて一緒に住むことになりました。

遺品整理もそうですが、成人していない若者が両親を亡くしてしまった精神状況というものは、とうていはかり知る事ができないことでしょう。

遺産は、兄弟で半分ずつ分けることになりましたので、10年くらいは何もしなくても生きていける状況で、幸運だったと言えます。

親戚が遺産相続に絡んでくると面倒ですからね。